|
|
「漢法と漢方」 |
|
|
効けば効くほど薬はこわい
伊沢凡人、辰野高司・著<ダイヤモンド社・1600円>
いまの西洋医学は、対症療法というより、対象療法だという。つまり、微生物などやっつける対象を探し出して、抗生物質のような医薬を作り出している。ところがその薬は、人間の身体もやっつけるのだ。 かといって漢方がいいわけでもなく、やはり対象療法が多い。そこで「漢法」だが、これは身体のいろいろな穴(出口)を上手に使って病気を治すものだ。体外に不要物を出す「吐、下、汗」法で、吐く、下す、汗を出すのである。下痢は止めてはいけない、悪いものを出そうとしているからだという。納得できる。 要するに、身体の流れをよくするのであり、「生きている」とは流れている」ことだという。対象療法も救急では必要だが、できる限り生体の流れで治すのがいい。(規) (毎日新聞2002年2月17日東京朝刊から) |
|