薬物アレルギー


薬物アレルギーとは

薬の内服、吸入、接触もしくは、注射などにより起るアレルギー。

内服された薬の場合、その薬は、胃と腸で吸収される。吸収された薬は、それ自体では、アレルギーを起こすわけではないが、からだの中のたんぱく質と結合したときにはじめてからだにとって、異物、つまり抗原として認知される。からだは、この異物を排除しようとして、抗体を作る。

この抗体は、非常に長い間、抗原を記憶しており、再度、同じ成分が、体内に侵入したときに、抗原と認めて、攻撃を開始する。こうして抗原抗体反応が起きてアレルギーが発生する。
一度、薬を使用してアレルギー症状があらわれると、同じ薬を使うたびに、必ず同じアレルギー症状が現れる。
発症の要因としては、薬の薬利作用が重要な役割をしていることはもちろんであるが、その人の体質や基礎疾患、感染症も関わっている。

*薬の副作用によるアレルギー疾患(薬疹)の変遷

  A.明治時代末期   :ヨウド、ブロム
  B.昭和12 年〜17年 :サルバルサン
  C.昭和38年以降   :サルファ剤、ペニシリン
  D.現在

    薬剤の種類

経口薬

抗生物質
解熱剤
フェノバルビタール
リゾチーム製剤
注射薬 抗生物質
ヨード造影剤
消炎酵素剤
注射薬 ハイドロコルチゾン
座薬 解熱剤

症状
多いのは薬疹呼ばれる皮膚の障害。全身に赤い湿疹ができたりその個所が黒く変色したりひどいときは、皮膚の表面がぼろぼろととはがれてきたりする。
内臓に関しても、胃腸障害、肝臓、腎臓機能障害を伴うこともあり、ときには、黄疸、発熱(drugfiver)も生じる。さらにおそろしいのは、アナフィラキシーショックである。アナフィラキシーショックを起こしやすい 薬品には、抗生物質のペニシリン、ストレプトマイシン、合成副腎皮質刺激ホルモン、サルファ剤、解熱鎮痛剤局所麻酔剤、造影剤などがある。